売れる数が増えれば収入も増える

日本のケータイ台数が人口を超えており、
ケータイ業界が成熟産業になったと言われて久しいです。
10数年前は販売台数も右肩上がりで、
0円で端末を販売しても基本料金や通話料で回収できていましたが、
新規契約数が減り、通話料も定額や無料通話分で賄われるようになるとそうもいきません。
ケータイでインターネットをすることにおいて「パケット」という通信の伝送単位を用い、
ユーザーに課金するシステムを考えたことには、本当に頭が下がります。
次世代通信になるとデータ料(バイト換算)になる流れのようですが、今回は収益の話です。

ご存知の通り、キャリアは今、通信をたくさんしてもらうことで収益を増やそうとしています。
スマートフォンは従来のフィーチャーフォンガラケー)に比べ、格段に通信を行います。
その通信をするのがスマートフォンでは機種依存というよりもアプリ依存の割合が高いです。
つまり、キャリアとしては「たくさん通信をしてくれるアプリが儲かる」というわけです。

一方で、端末を作っているメーカーは、アプリがどれだけ通信をしても儲かりません。
アプリが端末に依存し、端末専従のアプリがあれば端末の売り上げにも貢献しますが、
Android OSを採用してオープン環境を提供している以上、なかなかそうはいきません。
そのため、スマートフォンは機能よりもスペック重視で価格競争にさらされます。

より大きく綺麗な画面、より扱いやすいサイズ、よりたくさん持つバッテリー・・・
確かにユーザーとしては嬉しい限りですが、それは本当に幸せなことなのでしょうか?
たくさん作ってたくさん売れれば収益が増えるというビジネスモデルは基本ですが、
それでスマートフォンを作っているメーカーの人の収入は増えていくのでしょうか?

21世紀になって、もう10年以上経ちました。
経営者も労働者もユーザーもwin・winの関係になれるモノ作りをしなければ、
日本の企業はジリ貧になってしまいます。
「今売れる」ことだけでなく、「明日も売れる」ことを考えて、
ユーザーエクスペリエンスを提供してもらいたいものです。